嘉手納基地における米軍機の騒音激化に抗議する意見書 提出
嘉手納町・嘉手納町議会
嘉手納基地における米軍機の騒音激化に抗議する意見書
嘉手納基地における米軍機の騒音激化に抗議する意見書 嘉手納基地から発生する航空機による騒音被害が激化の一途をたどっていることが、騒音 測定データにより明らかになった。
屋良地区における平成28年4月から9月までの月平均の騒音発生回数は1,829回だ が、10月には2,118回(15.8%増)、11月2,200回(20.2%増)、12月 2,371回(29.6%増)、今年1月1,977回(8.0%増)である。
近年はF-22戦闘機や州空軍のF-16戦闘機の暫定配備も増えており、今月7日にも F-22戦闘機及び外来機のKC-135空中給油機が飛来した。騒音激化傾向にあるなか 一時的な飛来とはいえ看過できない。加えて、米海兵隊の垂直離着陸型のステルス戦闘機 F-35Bが岩国基地に計10機配備され、嘉手納基地を含む県内周辺において訓練すると の発表もあり、この訓練が常態化することになれば騒音がさらに増大することは必至であり、
町民生活に与える影響は計り知れないものがある。さらに米軍再編によるF-15戦闘機等 の訓練移転により一時的に騒音が軽減されると期待していたにもかかわらず、嘉手納基地所 属機が県外、国外にて訓練を行う間、新たな部隊が飛来し訓練が実施され騒音被害が増大し ている現状は、いかなる理由といえども容認できるものではない。
平成8年のSACO最終報告にて合意された「嘉手納基地の海軍駐機場移転」が今年1月 中旬に完了したことは朗報ではあるが、深夜早朝構わず轟く騒音は、町民の平穏な日常生活 を破壊するばかりではなく、「気分がすっきりしない」「不眠」「耳鳴り」「難聴」など体調不 良を訴える苦情が相次ぎ、町民は健康被害への強い不安、怒り、憤りを覚えている。
これはまさに騒音防止協定が形骸化していることを示すものであり、日米両政府は平成 18年の米軍再編ロードマップで合意された嘉手納基地の負担軽減を速やかに実施し、取り 組みを一層強化するとともに、町民の切なる願いに耳をかたむけるべきである。
よって、嘉手納町議会は、町民の生命、財産、安全及び健康で平穏な生活を守る立場から 米軍機の騒音激化に抗議するとともに、下記事項の速やかな実現を図るよう
記
1 騒音防止協定を遵守し、嘉手納基地の騒音軽減を確実に実施すること。
2 米軍外来機の嘉手納基地への飛来訓練を実施しないこと。
3 嘉手納基地の負担軽減を速やかに実施し、国外、県外への機能移設・訓練移転を図る こと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成29年2月13日
沖縄県嘉手納町議会
(あて先) 内閣総理大臣 外務大臣 防衛大臣 外務省特命全権大使(沖縄担当) 沖縄防衛局長 沖縄県知事